僕はそれでも恋をする
キラキラ笑顔
「あ! なっちゃーん! 柳瀬くーんっ」
無事にお互いの気持ちを言いあえた私と柳瀬君が2人でアトラクション巡りをしていると、高山君と手を繋いだチトセちゃんに呼ばれた。
「チトセちゃん……! やっぱり!」
やっぱり、両想いだったんだ!
「大成功っ」
2人の少し照れた表情にとても可愛らしく感じた。
友達が両想いなんて、こんな嬉しいんだ……。
「で、なっちゃんは?」
私の元に駆け寄ってきたチトセちゃんが、柳瀬君達に聞こえない程度の声で聞いてきた。
「……ま、まぁ。成功……かな」
恥ずかしくて若干濁しながら、小さく呟くとチトセちゃんの瞳がキラキラと輝いた。
「なっちゃぁぁん!!! おめでとおおお!!!」
「お? 何? 2人もできちゃった感じ?」
「田辺さん……」
チトセちゃんの黄色い声に、2人とも何の話か理解したみたい。
「なんか嬉しいなぁ! 柳瀬くんもおめでとう!」
「……うん」
素っ気ない返事をする柳瀬君は、頬が赤く染まっていた。
可愛いなぁ……。
なんだろう。
自分に対して、今まで向けられていたものが好意だったと知った途端、柳瀬君への好きという感情が爆発寸前まで膨らんでいた。
ふふふ、すごく嬉しいな。
「あいつらが結ばれてくれたらもっと良いんだけどなぁ。無理だろうな」
「え? あいつら?」
って、フミちゃんと椎名君、だよね?
「あの2人……両想い、だよね?」
どうして無理なんだろ。
「へ? 両想いじゃないよ? ねえ、柳瀬くん」
「え、あ……うん」
え? 両想いじゃない?
どういうことだろう。だって2人とも……
「お! お前らなんだよいちゃいちゃしやがってー!」