僕はそれでも恋をする


純情だ。純情すぎる。


春人は実は純粋無垢な、オタク用語も知らない男子中学生だっていうの……っ!?


確かに本屋さん好きそうだけど買ってる本は全部文庫本。


漫画なんて読まないのかもしれない。



「渚よく分からないこと言うよね。秘密事やだよ」


「うふふ」


「……」


ぷいっと前を向き直った春人が私の腕を掴んで歩き出す。


秘密事って言われてもなぁ。


実は春人に女装してほしいなんて開けっぴろげに言ったら、春人は絶対引いちゃう。


私ってこんなに変態だったの?


いやいや、春人が可愛いせいだ。


うん、絶対そう。


< 57 / 63 >

この作品をシェア

pagetop