切れた・・絆
•••また、裏切られたら
「先生、ありがとうございました。
お陰さまで、良い部屋が
見つかりました。」
と、言うと。
「佳希、仕事以外は、名前で呼べ。」
「はぁ~、わかりました。
真飛さんで、良いですか?」
「まあ、さんもいらないけど
とりあえずは、それでいい。
では、家具と家電を見に行くぞ。」
「えっ、いいですよ。
一人で行きますから。」
「いいから、行くぞ。」
と、車に乗せられ
まったく、強引なんだから‥‥‥
でも、家具も家電も、
真飛さんの知り合いのとこで
安くて良い品物が買えた。
食事をして、小物を見に行き
可愛い、可愛いとはしゃぐ私を見て
真飛さんは、ずっと笑っていた。
部屋に一度、荷物を置いて
二人で、ドライブをした。
「ああ、先に言っとくが
俺は、25階に住んでいる。
3LDKのとこだ。
何かあったら、いつでも言え。」
「えっ、そうなんですか?」
「鈴木に話したら、下が空いていると
言うから、見せてもらったら綺麗だし
手頃だから良いと思った。
俺と同じでは嫌だったか?」
なんだか、鈴木さんの
ウィンクが、見えたような。
「真飛さんのことは省いて
凄くよい物件で、助かりました。
ありがとうございました。
真飛さんて回りから酷い言われ方
されてますが、優しいですよね。」
と、言うと
「ああ、佳希、限定だ。」
と、言うから真っ赤になってしまった。
「佳希、俺は、お前が気に入ってる
俺との事を真剣に考えてくれ。
俺は、お前の幼馴染みのようなことは、
絶対にない。
女とか、結婚とかに、
興味ない人生を送ってきた。
まあ、俺も男だから、
欲捌けは、してきたが、
愛とか、恋とか
煩わしいとさえ思っていた。
あの日、佳希に会うまでは。
いつもなら、素通りの俺なのに
なぜか、佳希が気になり声をかけた。」
「真飛さん、ありがとうございます。
でも‥‥今、男の人を
信じる事が出来ません。
でも、ぶっきらぼうだけど
優しくて温かい真飛さんに
いつも、助けて貰っています。
少し、待って貰えますか?」
と、言うと
「ああ、良い返事をくれ。」
と、言って、
鈴のマンションまで送ってくれた。