切れた・・絆

•••苦痛の日々


竜崎の家と辻家の両親と
話してから、
俺は、機械人間みたいに
親父に言われた事だけをした。

新しい住まいをみつけ
引っ越しをして
未来を住まわせた。

今まで、住んでいた所は、
そのままにした。
佳希の匂いや残像を
失ないたくなかったから。
プライベートの部屋としておいた。

新しいマンションは、
未来の好きなように
家具と家電を揃えた。


あの話し合いの日から
母さんは、寝込んでしまい
親父からは、毎日、毎日酷く叱られ、
罵られる。

上にたつものが、
そんないい加減で
社員がついて来るかと。

辻のお父さんも、カンカンで
未来とも俺とも、話もしない。
好きにすれば良いと。

未来は、そんな両親にも
平然として
「心君と一緒に暮らせるなんて幸せ。
早く、赤ちゃんも出てこないかな。」
と、言ってる。

仕事も勝手に辞めて、
家で、ごろごろしているみたいだ。

俺は、呼ばれたら行くが
それ以外は、プライベートの
マンションの方に帰っていた。

未来ちゃんは、
「毎日、帰って来て!!」
と、うるさいが、
俺は、好きにさせて貰っていた。

もうすぐ、お披露目の日だから
ドレスを決めてこいと
父親に言われて、
今日は、見に来ていた。

未来は、一人ではしゃいで‥‥‥

「心君、これは?こっちかな?」と
「未来ちゃんの好きなもので、いいよ。」
と、言うと。
「お姉ちゃんの時は、
一緒に選んでいたくせに。
いいもん、自分で決めるから。」
と、言っていた。

俺は、聞こえていたが、
きこえないふりをした。
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