切れた・・絆
•••俺の子
真飛さんが迎えに来て
車に乗せられた。
「なにが、あった?言え。」
「何もないの。
ただ·····あんなに·····
真飛さんに、お世話になったのに······
ごめんなさい。
お付き合いの申し出は、お断りします。
本当にすみません。」
と、膝の上に手をついて頭を下げた。
すると······
「そうか、理由は?
俺が、納得できる理由なら
身を引く、それ以外は受け入れない。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「佳希、嘘はいらない。
本当の事を言え。」
「‥‥っ‥‥私っ、わたしっ‥‥
‥‥‥‥‥妊娠···しているの‥···
‥‥心の子を‥‥あの···とき‥‥
‥‥無理····矢理‥‥抱かれた‥‥‥
でも‥‥産みたいの‥‥‥この子を。
だから···だからっ····あなた···とは····
一緒にいれない·····お願い。
わかって·····くだ····さい····」
と、再び頭を下げる。
私が泣いて良いわけないが
涙が溢れる。
「わかった。」
と、答える真飛さんに
「本当に、ごめんなさい。
明日、事務長と小児科の先輩方には
話すつもり、仕事は出来るだけやる。
だから、真飛さんは、
もう私に構わないで。」
と、伝えると
「それは、出来ない。
お前は、俺の嫁になるんだ。
腹の子は俺の子だ。
いいな。佳希。」
と、言いきる真飛さんに
首を横に何度も振りながら
「だめ。そんなこと出来ない。
きっと、真飛さんも後悔する時がくる。
まして、真飛さんのご両親になんて
言うの?」
「たとえ、外見が似てなくても
俺が、産まれた時から
ずっとそばにいるんだ。
俺の子だろ。
俺が、お前をそんな理由で
手離すとでも、思ったか?
甘いな。
それに、俺の両親は、
二人とも、医者だ
わかってくれる。
俺が、尊敬している二人だから。
佳希は、ごちゃごちゃ考えずに
俺の嫁になれ、わかったか?」
「‥‥いいの?本当に・・?
途中で投げ出したら、恨んで出るよ。」
「あははは、佳希になら、
でられてもいいな。」
「もう、いつも、私で遊ぶ。」
「少し、忙しくなるな。
明日は、俺から事務長に話す。」