恋の眠り姫は夢心地―キスは優しく―
「はぁはぁ…あ…んたね…なんのつもりよ」
やっと私から離れた手と体に、安堵しながらぐるっと振り返り。
「よろしくね」
「なに?」
「はぃ…普通は、よろしくねって言われたらよろしくって言うもんだよ」
「だからなんで?」
「とにかく、握手♪」
と…スイッと長くて少し白く綺麗な指の大きな手が現れた。
躊躇する私
「はーやーくーあーくーしゅー」
くそッッ。めんどくさいコイツ。
このままだと永遠にこの会話が続きそうだし、
私は平川の手を力いっぱい握り
「平川くん、わけわかんないけどよろしくね!!!」
あからさまに引き攣った笑顔で言った。