白と黒のコーヒータイム
「みんな名村のどこを好きになってるのかな。顔?性格?確かに人当たりいいし優しいもんね。口は悪いけど。」

「話を聞け国見。」

「名村を超える人か…やっぱ難しいな。口が悪い以外は目立って悪いとこなしだもんね。」

「…何が言いたい?」

「私の次の恋愛。この連敗続きな現時点の突破口はもう名村以上の人間を見付けないといけない訳じゃない?もう失敗しないように名村を分析してんの。」

ガン見を続ける国見を前に思わず名村は目を丸くして固まった。

「…分析?」

名村の呟きに真柴の言葉を思い出される。それと同時に国見も目を見開いて固まった。

言うつもりもなかったのに何を思ったか言ってしまったことに後悔する。

「いや…何でもない。」

「あるだろ。俺を分析してどうにかなんの?」

「それはね、えっと…あれよね。」

「俺みたいに話せそうな奴探すって訳?」

「や、話せそうっていうか…それプラス恋愛対象になりそうな要素をね。持ってる人かな?」

話すことを諦めた国見は息を吐いた。

そして不意に真柴の言葉を思い出す。

“そんなに気が合うのに好きにならないってことは、国見さんの求める条件が名村さんに足りないって事なんです。”

つまりそれは、国見から見て名村に無いものがあるということだ。

改めて箸をすすめる名村を見つめて国見は考えた。

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