白と黒のコーヒータイム
友人という枠組みを超えてしまいそうなものを感じていないからこの関係を持続できるという事。

相手に対しては失礼な考えだと分かっているが、これからの自分には必要な分析なのだと国見はそのまま名村を探ることにした。

「名村に感じないもの…。」

「ああ?」

それが国見が相手に求めるもので、それを持っている人を見つければ上手くいくかもしれない。

「…そういう人を探せばいいんだろうけど。」

“周りにいなければ最終手段として有りなのが名村さんに友達を紹介してもらうことです。”

類は友を呼ぶというではないか、名村の近くには名村と同じ様な空気を持つ人間がいる筈だと真柴は人差し指を立てた。

確かにそうかも。

「おい、いい加減説明しろ。飯がまずくなる。」

「あ、ごめんごめん。」

あからさまに嫌そうな顔をしているにも関わらずブツブツと呟きながらガン見を続けていた自分を反省しつつ、国見は頭を掻いた。

これだけしておいて誤魔化すことは出来ないだろう。

どちらにしても名村に隠し事が出来る程器用な方ではない。

申し訳ない気持ちを抱きつつ国見は行きついた自分の考えを素直に白状した。

「…つまり俺に似たような奴に国見の恋愛条件を足した男を探せばいい、と?」

「うん、まあそんなとこ。」

かいつまんで話すだけで名村はあっさりまとめて返してきた。

さすがだ、頭の回転もいいなと国見は素直に感心する。

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