生徒に恋しちゃいました
「過剰な接触って・・・俺ら生徒はエイリアンかよ」

「あははっ。 とにかくさ、感謝してるのよ。 これ以上委員長に心配かけないように、頑張るからね、私」

最後のセリフは自分に言い聞かせるように言った。

この人、俺が委員長の責任としてあれこれ世話をやいてると本気で信じてるんだろうか?
委員長なんて、クジで当たっちゃっただけなんだけどなー。

桃子センセイが担任になってからはや3ヶ月。 俺はリハビリと称して、桃子センセイにつきまとっていた。

その効果が出たのかどうか、最近のセンセイは授業中に顔が青くなったりはしなくなった。
プリントを手渡したりする時に接触すると、やっぱり気持ち悪くなるみたいだけど顔に出さない術を身につけたようだった。

男性恐怖症という点を除けば、桃子センセイは意外にも優秀な教師だった。
授業は要点がわかりやすいし、時折入る雑学や教科書から逸れた話も面白い。
国語担当だけど、質問すればその他の科目も指導してくれる。

全く色気がないところも男子校教師としてはプラスなのかもしれない。
少なくとも、授業中に目の遣り場に困るとか良からぬ妄想をしてしまうとか、そういう話が生徒の間で出たことはないし。





























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