生徒に恋しちゃいました
3.青い顔、赤い顔 side桃子
「ということで、我々3年D組は和風カフェやります!! メニューは抹茶パフェとかカフェラテとか何でもいいから女子の好きそうなやつね。
接客係は当日は浴衣。 持ってないやつは買っとけよー」

いつになくやる気に満ち溢れている山崎くんの宣言にクラス中からおーっと歓声が上がる。

今日のHRの議題は文化祭の出し物と当日の係について。

普段はHRなんて、寝てるか携帯いじってるか、下手したら帰っちゃう生徒もいるくらいなのに今日は全員参加だ。

結城くんに教えてもらったところによると、文化祭は近くの女子高生なんかが遊びにくるらしくて皆にとっては一大イベントらしい。

まぁ、動機は不純でも真面目にやってくれるなら先生としてはありがたい限りだけど。


「広瀬先生、お疲れさまです」

帰宅する生徒達を見送り、職員室に向かっていたところに声をかけられた。

「小鳥遊先生、お疲れさまです」

同じ3年生を受け持つ小鳥遊先生だった。黒縁メガネがよく似合う穏やかな先生で、新任の私の指導役を買って出てくれている。

男の人が苦手な私でも、小鳥遊先生とは不思議とあまり緊張せず話が出来る。
いつもニコニコしてて、男の人っぽい威圧感が無いせいかな。


「広瀬先生のクラスは飲食店できるらしいですね。うちは研究展示になっちゃったから生徒達がっかりですよ」

「あぁ、はい。 飲食店だと女の子のお客さんが増えるからって喜んでます」

私が笑って答えると、小鳥遊先生は苦笑して肩をすくめた。

「生徒達の気持ちはわかるんですけどね。どうしても浮かれてトラブルが起きがちだから、こっちは気が重いです。
広瀬先生も心しておいてくださいね」































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