生徒に恋しちゃいました
5.気づいてしまった気持ち side桃子
「あの人が結城の本命か〜。 さすが、レベルたけぇな」

「可愛い子でもあっさり振っちゃうからもったいないって思ってたけど、あれなら納得だなー」

「OLっぽかったけど、いくつ上なのかな!? よっしー、知ってる?」


特に聞きたくもないのに、クラスの皆の噂話はしっかり耳に入ってくる。


あの人が結城くんの彼女かぁ・・・。


あんなものすごい美人、初めて見たかも知れない。

大分歳上に見えたけど、しっくりくるっていうかお似合いだったな。


何だろう。

お腹のあたりが急に重くなったみたい。

心も身体も深く沈んでいくような・・



変なの、しっかりしなきゃ。

先生なんだから、ちゃんと仕事しなきゃね。




「あ、そーだ。桃ちゃん」

「なに?山崎くん」

「もうちょっとしたら、広人ミスターコンなんだけどさ着替え手伝ってやってくんない? ドレスとか俺わかんないし、女の人のがいいと思うからさ」

「いや、先生も忙し・・」

「よろしくねー!!」

実行委員で忙しそうな山崎くんは私の返事も聞かずに笑顔で走り去っていった。



会いたくない・・・

なんて思うのは、おかしいよね。


「美人の彼女ね」って笑顔で言えばいいじゃない。


何でだろう?


そんなこと、言える気がしない。

































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