生徒に恋しちゃいました
「うん。 なに?」
「桃子センセイの男嫌いの理由・・聞いても平気?」
「そっか、そういえば話した事なかったね」
「うん、ちょっと気になってた」
「あのね、ホントにくだらない事なんだよ。そんな事くらいでって思うような・・」
「うん」
結城くんの相槌はとても優しい。
「小学校6年生のときかな。
父親のね、浮気現場を見ちゃったの。
私の知らない若い女の人がうちにいてね・・本当はお母さんと私はその日おばあちゃん家に泊まる予定になってたんだけど、お母さんが急に帰るって言い出して」
「今思えば、お母さんは最初から疑ってたんだと思う。 それがきっかけで両親は離婚して、私は男の人が苦手になった。
馬鹿みたいでしょ? 浮気してる父親なんて世の中にいっぱいいるのにね」
「そんな事くらいで、馬鹿みたいって・・・誰かに言われた?」
私は弾かれたように結城くんを見上げた。
何で、わかるんだろう。
ーー何だ、その程度の話かよ。
馬鹿じゃねーの。
突き刺すような声を思い出す。
「当たりだ」
「大学の時ね、告白してくれた男の子がいたんだけど、私どうしても手を繋いだり出来なくて。 愛想つかされちゃったの」
私は笑った。
今なら彼の気持ちもよくわかる。
こんな面倒な女、そりゃ嫌だよね。
「桃子センセイの男嫌いの理由・・聞いても平気?」
「そっか、そういえば話した事なかったね」
「うん、ちょっと気になってた」
「あのね、ホントにくだらない事なんだよ。そんな事くらいでって思うような・・」
「うん」
結城くんの相槌はとても優しい。
「小学校6年生のときかな。
父親のね、浮気現場を見ちゃったの。
私の知らない若い女の人がうちにいてね・・本当はお母さんと私はその日おばあちゃん家に泊まる予定になってたんだけど、お母さんが急に帰るって言い出して」
「今思えば、お母さんは最初から疑ってたんだと思う。 それがきっかけで両親は離婚して、私は男の人が苦手になった。
馬鹿みたいでしょ? 浮気してる父親なんて世の中にいっぱいいるのにね」
「そんな事くらいで、馬鹿みたいって・・・誰かに言われた?」
私は弾かれたように結城くんを見上げた。
何で、わかるんだろう。
ーー何だ、その程度の話かよ。
馬鹿じゃねーの。
突き刺すような声を思い出す。
「当たりだ」
「大学の時ね、告白してくれた男の子がいたんだけど、私どうしても手を繋いだり出来なくて。 愛想つかされちゃったの」
私は笑った。
今なら彼の気持ちもよくわかる。
こんな面倒な女、そりゃ嫌だよね。