生徒に恋しちゃいました
6.素直になれば side広人
「広人さー、好きな人できたでしょ?」

そう言って俺に笑いかける千花はすっかり姉の顔をしていて、俺も素直にそれを受け止められた。


「何で?」

「女の勘ってやつ?当たりでしょ?」


好きな人・・・

おかっぱ頭。

すぐに真っ赤になる頬。

小動物みたいな瞳。

当たり前のように桃子センセイの顔が浮かんできて、思わず苦笑する。




「うん、いる。 好きな人いるよ」

自分でも驚くほどきっぱりとそう言った。

「あら、そんな素直に認めるなんて珍しいわねぇ」


「うん。
素直に認めて直球でいかないと、手に入らなそうだからさ」

てゆーか、はっきり言わなきゃ気づいてもらえなそうだ。


「 青春ねー。 ま、精々頑張りなさいよ!! 本気で欲しいものは、諦めちゃダメよ」


「言われなくても。 本気で欲しいから、頑張るわ」


「ふふっ。いい男になったわねー。
悠人の弟なだけあるわ」


「はいはい。 愛する旦那によろしくな」


俺は千花を残して、部屋を出た。

無性に桃子センセイに会いたかった。


































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