生徒に恋しちゃいました
エピローグ side桃子
「いくらなんでも早く来すぎちゃったな・・」
腕時計の示す時刻は10時30分。
待ち合わせより30分も早い。
目の前のガラス扉に映る自分の姿に急に恥ずかしさがこみ上げてきた。
いつもの地味なスーツとは全然違う、オフショルダーの白いニットワンピースにヒール高めのピンクのパンプス。
苦手な口紅も今日は塗ってきた。
私なりに女らしく、大人っぽく見えるように頑張ったつもりだけど・・・
「なんか、必死すぎておかしいかも」
うぅ。
やっぱりいつも通り、デニムとかの方が良かったかなー。
今更だけど、着替えたい・・・
「なんで? すっごい似合ってて、可愛いよ」
頭上から降ってくる声にぱっと顔をあげると、眩しいくらいの笑顔が待っていた。
「結城くん! えっと、早いね」
「そっちこそ早いじゃん」
結城くんはこの春から大学生になった。
うちの高校からは久しぶりだという国立大の現役合格で、職員室も大盛り上がりだった。
結城くんは白いシャツに黒いパンツというシンプルな格好だけど、制服を脱いだだけでびっくりするくらい大人に見えるから不思議だ。
「髪の毛、染め直したの? 前より黒っぽくなってるね」
高校時代は明るい茶髪だったのに、随分と落ち着いた色合いになっていた。
「うん、地毛より黒いくらいかも」
「あぁ、結城くん全体的に色素が薄い感じだもんね。
私は純日本人的だから羨ましいな。
茶髪も似合ってたのに、どうして?」
「黒髪のが大人っぽいかなって」
「そっか!大学生だもんね。 うん、黒髪もすごく似合うよ」
「・・・違くてさ。 桃子センセイと並んでも違和感なく見えるようになんだけど」
結城くんは照れたような拗ねたようなそんな顔を私に向ける。
腕時計の示す時刻は10時30分。
待ち合わせより30分も早い。
目の前のガラス扉に映る自分の姿に急に恥ずかしさがこみ上げてきた。
いつもの地味なスーツとは全然違う、オフショルダーの白いニットワンピースにヒール高めのピンクのパンプス。
苦手な口紅も今日は塗ってきた。
私なりに女らしく、大人っぽく見えるように頑張ったつもりだけど・・・
「なんか、必死すぎておかしいかも」
うぅ。
やっぱりいつも通り、デニムとかの方が良かったかなー。
今更だけど、着替えたい・・・
「なんで? すっごい似合ってて、可愛いよ」
頭上から降ってくる声にぱっと顔をあげると、眩しいくらいの笑顔が待っていた。
「結城くん! えっと、早いね」
「そっちこそ早いじゃん」
結城くんはこの春から大学生になった。
うちの高校からは久しぶりだという国立大の現役合格で、職員室も大盛り上がりだった。
結城くんは白いシャツに黒いパンツというシンプルな格好だけど、制服を脱いだだけでびっくりするくらい大人に見えるから不思議だ。
「髪の毛、染め直したの? 前より黒っぽくなってるね」
高校時代は明るい茶髪だったのに、随分と落ち着いた色合いになっていた。
「うん、地毛より黒いくらいかも」
「あぁ、結城くん全体的に色素が薄い感じだもんね。
私は純日本人的だから羨ましいな。
茶髪も似合ってたのに、どうして?」
「黒髪のが大人っぽいかなって」
「そっか!大学生だもんね。 うん、黒髪もすごく似合うよ」
「・・・違くてさ。 桃子センセイと並んでも違和感なく見えるようになんだけど」
結城くんは照れたような拗ねたようなそんな顔を私に向ける。