生徒に恋しちゃいました
私は慌てて、自分のトートバッグからお財布を取り出すために立ち上がろうとした。

すると、私よりずっと背の高い結城くんに両肩を押さえつけられて、ストンとベッドに座りこんでしまった。


「えっと。なにかな? お財布あそこのバッグの中なんだけど」

「ーー身体で払ってくれてもいーよ。
センセイ、ちょっと色気足りないけど」

ぞくっとするくらい色っぽい表情を見せられ、私は身動きが取れなかった。

結城くんの鼻先が私の首筋に触れる。
鎖骨のあたりに吐息がかかるのを感じた。

うわっ、近い。

いやっ。

いや、いやっ!!

「やっ、気持ち悪いっ」

そう叫んで、結城くんの身体を思いっきり押し退けた。

結城くんとの間に気まずい空気が流れる。
私が何か言わなきゃと思ったところで、彼が先に言葉を発した。

「ごめん、ほんの冗談のつもりだったんだけど。 こんなマジで嫌がられるとは・・」

結城くんは両手をあげて、もうしませんのポーズを取った。
少しだけ傷ついたような顔をしている。

「てか、もしかして朝も俺が触ったから? 生理的に無理ってやつ?」


「えっと、その通りなんだけどちょっと違うような・・・」

私はゴニョゴニョと言い訳をはじめた。

「どういう事?」










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