青春と呼ぶには僕らはまだ青くない。
彼女との再会依頼、俺の中で少しずつ何かが変わっていくのが分かった。


それはーーー


ずっと目を背けていた事。


けれど俺は漸くその思いに向き合うことにした。

俺は彼女と偶然の再会を果たし、彼女への思いが終わっていなかった事、諦め切れていない事を思い知った。


あの時、手紙を貰い、確かに俺も前に進もうと思った。


彼女を支えるのは自分じゃ無かった、彼女は大切な存在を見つけ既に進み始めている。


その事実を受け入れいつまでも立ち止まっている訳にはいかないと……。


けれどーーー


再会を果たした俺はもうその思いに気づかないふりは出来なかった。


彼女を前にしてもう何年も前に終わったと思っていた思いが止まったままだった事を嫌というほど実感した。


と、同時に自惚れかもしれないが、未だ彼女も同じ思いを俺に対して持ってくれているんじゃないかって……感じたんだ。


彼女と別れ際、俺は聞いたんだ。


ーーーまた会える?


彼女は笑って答えた。


「そうね、君の夢が実現する時、もう一度会いましょう。但し、あまりにも遅いと私、おばあちゃんになっちゃうわよ。」


俺は何に向かって進むべきか漸く、決心がついた。







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