青春と呼ぶには僕らはまだ青くない。
「ん?なに?僕の顔に何か付いてる?」
書き掛けの卒論に目を通していたなっくんが不意に顔を上げたので目がバシッと合ってしまった。
「な、なにも。どこかミスってるところない?」
「うーん、誤字は無さそうなんだけど…ここの所の言い回しがちょっとくどいかなって。ほらここをこうしてーーーー」
なっくんが解説してくれているのにその内容が全く頭に入ってこない。
思えばなっくんはあまり私の事を見て話さない。
私が話し掛けるとさり気なく視線を反らされるし、いつも本屋さんで会う事が多かったから何か本を物色しながら話したりでこうして視線がバチッと合ったのって初めてに近いかも……。
レポート用紙を持つなっくんの手に自然と目が行く。
華奢な手をしていたみぃくんと違ってなっくんは意外にも少し筋ばっていて男の人らしい手を持っていた。
確か高校時代に剣道をしてたっけ?
ごつごつとしていて掌も大きくて………
「どうかした?ごめん、ちょっと言い方キツかった?良い卒論になればなってつい集中しちゃって……。」
と目の前で申し訳なさそうにするなっくんはいつものなっくんなのに……。
相変わらず微妙に視線は外されているのに……。
どうしてだろう。
さっきから私の心臓の音が煩いのは。
書き掛けの卒論に目を通していたなっくんが不意に顔を上げたので目がバシッと合ってしまった。
「な、なにも。どこかミスってるところない?」
「うーん、誤字は無さそうなんだけど…ここの所の言い回しがちょっとくどいかなって。ほらここをこうしてーーーー」
なっくんが解説してくれているのにその内容が全く頭に入ってこない。
思えばなっくんはあまり私の事を見て話さない。
私が話し掛けるとさり気なく視線を反らされるし、いつも本屋さんで会う事が多かったから何か本を物色しながら話したりでこうして視線がバチッと合ったのって初めてに近いかも……。
レポート用紙を持つなっくんの手に自然と目が行く。
華奢な手をしていたみぃくんと違ってなっくんは意外にも少し筋ばっていて男の人らしい手を持っていた。
確か高校時代に剣道をしてたっけ?
ごつごつとしていて掌も大きくて………
「どうかした?ごめん、ちょっと言い方キツかった?良い卒論になればなってつい集中しちゃって……。」
と目の前で申し訳なさそうにするなっくんはいつものなっくんなのに……。
相変わらず微妙に視線は外されているのに……。
どうしてだろう。
さっきから私の心臓の音が煩いのは。