青春と呼ぶには僕らはまだ青くない。
「なっくん、これとこれだとどっちが良いかな?」
ナルが僕なら恐らくどちらもチョイスしないであろうマグカップを二つ掲げて問い掛けてくる。
「ナルの好きな方で良いよ。」
「えー、決められないからなっくんに聞いてるのに。」
口を尖らせるものの大して怒ってる様には見えないナルの頭をポンポンと撫でてやる。
「じゃぁ、こっちかな。」
僕は敢えて派手なデザインの方を指差した。
「こっち?良いの?なっくん派手なの嫌かなって……。」
ああ、そうだよ。
僕はーーー
何でもシンプルなものが好きだ。
必要以上に飾り付けもなく、ただ、実用的であればそれで良い。
けれどーーー
敢えて僕は自分の好みとはかけ離れたデザインのものを指した。
敢えて、
兄貴が選びそうな方を。
ナルが僕なら恐らくどちらもチョイスしないであろうマグカップを二つ掲げて問い掛けてくる。
「ナルの好きな方で良いよ。」
「えー、決められないからなっくんに聞いてるのに。」
口を尖らせるものの大して怒ってる様には見えないナルの頭をポンポンと撫でてやる。
「じゃぁ、こっちかな。」
僕は敢えて派手なデザインの方を指差した。
「こっち?良いの?なっくん派手なの嫌かなって……。」
ああ、そうだよ。
僕はーーー
何でもシンプルなものが好きだ。
必要以上に飾り付けもなく、ただ、実用的であればそれで良い。
けれどーーー
敢えて僕は自分の好みとはかけ離れたデザインのものを指した。
敢えて、
兄貴が選びそうな方を。