青春と呼ぶには僕らはまだ青くない。
「ナル…僕はまだナルの事、好きでいて良いの?」


「好きでいてくれなきゃ…やだ。」


ナルを抱きしめる力を少し緩め、顔をマジマジと見る。


「もぉ…そんな見ないでよ。」


ナル…分かってないな。


君のその言葉を素直に聞けるほど僕は大人じゃない。


「じゃあ…こうすればいいんじゃないーー」


僕は顔を背けるナルの顔をこちらに向けるとそのまま唇を奪った。


ほんの一瞬、軽く触れるだけのつもりだったのに…何度も何度も重ねて口付ける。


ナルの頬に手を添えまだ少し濡れた髪にそのまま差し込む。


額と額をくっつけるとナルがそれまで閉じていた目を開く。


「ナル…、ナルの事が好きなんだ。ずっと前から出会ってすぐの頃からナルの事が好きだった。」


「なっくん…っ、」


ナルが僕の名を呼ぶと同時に僅かに出来た唇の隙間に舌を滑り込ませる。


もうこれ以上、言葉は要らない。


僕は夢中でナルに口付けた。








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