青春と呼ぶには僕らはまだ青くない。
***
「おじちゃん天国に行ったねぇ。」
「おじちゃんお星様になっちゃったんだぁ。」
「こらこら、君たちそれだと光紘(みひろ)おじちゃんが死んじゃったみたいでしょ?おじちゃんは宇宙に行ったんだよ。ロケットに乗ってね。」
テレビの前を陣取る二人の小さなお姫様に優しく手を伸ばすと二人分の嬉しそうな顔が無条件に僕に身を預ける。
僕はその小さなお姫様達を喜ばせたくてヨイショと何とか抱き上げる。5歳になり随分、重くなったけどまだ何とか抱っこ出来るな。さて、こうして抱けるのも後、何年だ?
「七夢くん、駄目じゃない。この前も無理して腰痛くしちゃったでしょ?ほら二人ともパパから降りなさい。もうすぐ年長さんになるんでしょ。」
「パパ、腰痛い?」
「パパ、死んじゃう?」
心配そうに顔を覗き込むお姫様達に
「大丈夫だよ。パパは君達がお嫁に行かない限り死なないよ。」
神妙な面持ちでそう言うと
「じゃあ、ルカお嫁に行かなーい。」
「ずるーい、ミカも行かないもーん。」
「ちょっと、七夢くん変な事言わないの。それよりクッキー焼けたからお茶にしましょうってお庭のじいじとばあば呼んできて。」
「「うん、分かった!」」
小さな二人が急いで庭に駆け出していく。
僕達はナルの卒業を待って直ぐに結婚した。
院生の僕と社会人一年目のナルとの結婚を周りは早いと言って止めたけれど僕は他の誰とも結婚する気なんてないし、ナルと何れ結婚するなら少しでも早い方が良いと思ったんだ。
何事もシンプルに、無駄な事はしないお前らしい決断だと唯一、兄貴だけはこの結婚を喜んでくれた。
あれからーーー
僕達が同じ大学で過ごしていた日から10年が過ぎていた。
兄貴はさっき長年の夢を叶え宇宙へと飛び立った。
宇宙飛行士になりたいと言う夢を叶えた兄貴は今度、地球に降り立つ時には父親になっている予定だ。
もう一つの夢が叶うんだ。
自分の家族を持ちたいと言う夢を。
「おじちゃん天国に行ったねぇ。」
「おじちゃんお星様になっちゃったんだぁ。」
「こらこら、君たちそれだと光紘(みひろ)おじちゃんが死んじゃったみたいでしょ?おじちゃんは宇宙に行ったんだよ。ロケットに乗ってね。」
テレビの前を陣取る二人の小さなお姫様に優しく手を伸ばすと二人分の嬉しそうな顔が無条件に僕に身を預ける。
僕はその小さなお姫様達を喜ばせたくてヨイショと何とか抱き上げる。5歳になり随分、重くなったけどまだ何とか抱っこ出来るな。さて、こうして抱けるのも後、何年だ?
「七夢くん、駄目じゃない。この前も無理して腰痛くしちゃったでしょ?ほら二人ともパパから降りなさい。もうすぐ年長さんになるんでしょ。」
「パパ、腰痛い?」
「パパ、死んじゃう?」
心配そうに顔を覗き込むお姫様達に
「大丈夫だよ。パパは君達がお嫁に行かない限り死なないよ。」
神妙な面持ちでそう言うと
「じゃあ、ルカお嫁に行かなーい。」
「ずるーい、ミカも行かないもーん。」
「ちょっと、七夢くん変な事言わないの。それよりクッキー焼けたからお茶にしましょうってお庭のじいじとばあば呼んできて。」
「「うん、分かった!」」
小さな二人が急いで庭に駆け出していく。
僕達はナルの卒業を待って直ぐに結婚した。
院生の僕と社会人一年目のナルとの結婚を周りは早いと言って止めたけれど僕は他の誰とも結婚する気なんてないし、ナルと何れ結婚するなら少しでも早い方が良いと思ったんだ。
何事もシンプルに、無駄な事はしないお前らしい決断だと唯一、兄貴だけはこの結婚を喜んでくれた。
あれからーーー
僕達が同じ大学で過ごしていた日から10年が過ぎていた。
兄貴はさっき長年の夢を叶え宇宙へと飛び立った。
宇宙飛行士になりたいと言う夢を叶えた兄貴は今度、地球に降り立つ時には父親になっている予定だ。
もう一つの夢が叶うんだ。
自分の家族を持ちたいと言う夢を。