お姫様は初恋中!?
本当に楽しそうに話している宙
…っ
…もしかしたら、既に付き合っているのかもしれない
そう思い始めたら、いてもたってもいられなくなった
「そ、宙!…私、用事思い出したから、先に帰る、ね」
そう言い残し、全速力で走った
「え?…おい!瑠衣!」
後ろからそんな声が聞こえた気がしたけど、それどころではなかった
走って走って
ある木の裏に座り込む
「はぁ…はぁ。…」
宙…
宙が好きな人と一緒になるのは
宙にとって幸せな事なのに…
私は気持ちには答えられないのに…
誰とも付き合って欲しくないなんて
ずるいよね…
ごめんね…
宙の幸せを祝えるようになるから
今だけは…悲しませて…
空に輝いている月が私の涙を悲しく照らしていた