愛の贈り物
キーンコーンカーンコーン

午後4時、学校が終わりみんなが下校し始めた。

夏焼さんと須賀屋は部活をしていた。

夏焼さんは吹奏楽部で須賀屋がバレー部だ。

いつも一緒の2人が唯一別々になる時間。

この時を俺は待っていた。
夏焼さんが1人になる時を…。

昼休み時間、1回だけチャンスがあったが、須賀屋がいたので、弾丸は射たなかった。

「りさ!!先に行くね」

「うん!」

そう言うと、須賀屋は教室を出て行った。

「高岡くん、まだ帰らないの?」

「そうだね!もう少し残るよ」

「じゃ〜あたしもう行くね。」

そう言うと、夏焼さんは教室を出た。音楽室へ行ったのだ。

音楽室は3階にある。俺ら1年の教室と同じ階だ。

俺は夏焼さんに気づかれないように後をつけた。

そして、弾丸を射つ時が来た。

左側は壁、右側はシアタールーム、その奥が音楽室。
今しかない。

俺は拳銃に弾丸を入れて、構えた。

夏焼さんの心に照準を合わせた。

準備は万全だ。

後は夏焼さんを呼んで、振り向かせるだけだ。

俺は夏焼さんを呼ぼうとした。
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