愛の贈り物
2日前

「とくちゃん、UFOキャッチャーうまいね!」

「……そう?た…たまたまだよ」


俺はとくちゃんとゲーセンに行っていた。

この所、よくとくちゃん一緒にゲーセンに行く。

りさことうまくいってないからだ。…それ以外に理由もあるが…。

「……高岡くん、あの喫茶店行かない?」


とくちゃんは偶然目に入った喫茶店を指差した。


喫茶店『愛』

俺はドキッとした。

愛という言葉に敏感になっていた。

「あ…いいよ!!」

「よし!入ろう」

ガチャ

「いらっしゃい」

俺ととくちゃんはカウンターに座った。

「なにしよっか?」

「う〜ん?そうだな」

とくちゃんと俺はメニューを一緒に見ながら悩んでいた。

「なににしますか?」

「あたし、ほっとコーヒーにする。砂糖少なめ、ミルク多めで」

「俺は、ほっとミルク」

「かしこまりました」

…とくちゃんこと徳永麻亜佐(とくながまあさ)とは先月知り合いになった。

須賀屋の友達だ。

俺は初めて会った時、徳永さんと呼んでいた。

「と…徳永さんてい…いやだ……。と…とくちゃんって呼んで」

知り合いになって3日後、突然言われた。

俺はその日以来とくちゃんと呼んでいる。

ポッポ、ポッポ

と店の鳩時計が鳴った。

午後6時だった。

ガチャ

俺は後ろを振り向いた。

…俺は入口にいた女性を見て、驚愕した。
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