愛の贈り物
その日の放課後。
俺はりさこと一緒に帰ろと思った。ここのところ、とくちゃんとゲーセンに行ってたからだ。

……それにりさことはあんまり話してなかった。


「りさこ!今日、一緒に帰ろう」


「いや!!」

りさこは明らかに怒っていた。


「どうした?怒ってる?」

「べつに!!」

りさこは俺の顔を見ようしなかった。

(ヤバい、めっちゃ、怒ってる…)

「ごめん!当分、とくちゃんとゲーセン行かないよ」

俺は謝った。りさこと一緒に帰らず、とくちゃんとゲーセンに行ってたことを怒ってると思ったからだ。

「むりしなくていいよ」

「え!?」

「私と帰るより、徳永さんと一緒に帰りたいのでしょ!!」

りさこは心の内を言った。
「そんなことあるか!りさこと帰りたい」

俺は大きい声で言った。

「私見たんだから、徳永さんとたかくんが、寄り添って歩いてるのを」

りさこは目に涙を浮かべながら言った。

「……!?あ…あれは…」

「たかくんなんて、大嫌い!!」

りさこは教室を飛び出した。

俺はりさこを追いかけようとした。

その時、教室のドアの後ろに誰かいることに気づいた。
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