世界で一番ソラに恋した。
あーあ。私のことでもないのに、胸が痛んだ。
可哀想に、生徒会長。
すっごく肩を落としている。
あんなモテそうな爽やかさんが――って。
そんな事を言っている場合じゃないよ。
ソラ君が来てるんだから、二人が鉢合わせしないようにしなきゃ。
ソラ君のあんな怖くて――傷ついた顔、見たくないよ。
なのに。
「今来てるサッカー部に、武井さんの好きな人がいるってこと?」
愕然としている生徒会長の後ろに、ちょうどパーティルームのドアが開いて、中から久保先輩とソラ君が出て来た。
二人とも空になったグラスを持っている。
「お、あの人だよ」
「奈菜!」