世界で一番ソラに恋した。
「止めてっ ソラ君、駄目――」
ソラ君に体当たりして、私がソラ君に馬乗りになって止めた。
けれど、簡単に起き上がったソラ君は私を痛々しい瞳で見て、苦しそうだった。
「あいつの顔なんか、サッカーボールみたいに飛んで消えてしまえばいいんだよ」
「ソラ君!」
「ソラ!」
「久保先輩!」
「大和さん!」
サッカー部の男子達も出てきて、その場は騒然となりだしたころ、男性店員が二人、こちらへ向かってきた。
「お前ら、どこの高校だ!」
愛、琴音と沙希もパーティルームから出てきて真っ青な顔になっている。
「奈菜、何何これ、何ほんと意味が分からない」
「何で、岳くんと久保先輩とソラ君が連れていかれているの?」
「喧嘩?」
サッカー部が久保先輩を押さえると、生徒会長は店員に手を差しのべられて立ちあがっているのが見えた。
そして、腫れた右頬を押さえながら、生徒会長は冷静に嘘を吐いた。
「この人が急に金銭を要求してきて、断ったらキレて殴りかかってきました」
「てめー!」
今度はソラ君が生徒会長へ殴りかかろうとする。
「ばっ ソラも押さえろ!」