世界で一番ソラに恋した。
今、――今、私の目の前で何が起こっているのか、分からない。
怖くて、涙が出そうになってけれど、私は拭いながら挙手をして、店員さんを呼びとめた。
「金銭は嘘です。私も奈菜も、見てました。ソラ君も居ました」
「監視カメラで確認したらわかるんじゃない? 金銭要求してる様子はないから」
奈菜が冷静にそう言うと、皆にカバンを持ってくるように指示して、パーティルーム代を財布から取り出すと店員の手に置いた。
「帰ろう。さっさと出よう。気分が悪い」
奈菜は、店員の横にいる頬の腫れた岳君を睨む。
サッカー部の三人が久保先輩とソラ君を店の外まで引きずって、愛と琴音と沙希たちが全員分のカバンを持ってくれた。
それなのに、奈菜はまだ生徒会長を睨んでいる。
「あんた、そんなに息を吐くみたいに嘘ついて、――超最低」
「な、奈菜っ」