世界で一番ソラに恋した。



カレー屋の店長は、いつもまばらにしか客が来ないのに、10人も御客が来て嬉しそうだった。


厨房から、スパイスの効いたカレーの匂いが、ぺったんこのお腹に刺激を与えてくる。


さっきの出来事にびっくりした愛達がめそめそと泣く中、サッカー部の男子達がそれぞれの方法で泣きやましていて、ちょっと良いムードになっていた。


サッカー部の男子って、ちょっと一見チャラそうで、いつもふざけ合ってるイメージだったけれど、友達思いで勇気もあって、ちょっと見直した。


いいや、私が背が高いってぐらいしか認識していなかったんだけど。



「何をのんびり周りを見渡してるのよ。アンタの彼氏のソラのことでしょ」
「か、彼氏じゃない! 彼氏じゃないよ!」


「そう連呼して否定したら、ソラのピュアな心が壊れちゃうだろ」
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