世界で一番ソラに恋した。


「そんな優しいソラ君が、好きだよ。私は」


猫っ毛の柔らかい髪を触ったら、ソラ君の心にも触りたくなった。
手を伸ばしたら、届いてくれるといいのになって、思う。


ソラ君の心まで、あと何センチなんだろう。

「あゆ」

「へへ。好き。好きだよ、ソラ君」



思った以上に、いっぱい考えて迷って苦しくて、心が締めつけられていたのに。


伝える時、心がドキドキして破裂しちゃうかなって思ったのに、



今、言いたいって思った。

奈菜が居ても、久保先輩がいても、

今、言わなきゃって思った。

今言わなきゃ、ソラ君が、遠くの空に行ってしまう様な。


そんな気がしたの。



「俺も、超好きだよ」


顔を少しだけ上げたソラ君は、――耳まで真っ赤になっていた。
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