世界で一番ソラに恋した。


生徒会長が、母親は違うけど三カ月お兄ちゃんで、家に上がり込んできて、ソラ君の居場所を奪って、

それで父親は?


それで二人はソラ君にそんな態度を取って心が痛まないの?



私の心が静かに烈火に包まれていたら、頭上で本当に稲妻が走った。

ゴロゴロと空が鳴りだして――雨が降りだしそう。


「ソラ君、うちに来て。――今日、うち」

「……あゆ」

「お父さん夜勤で居ないから、お母さんが喜ぶと思うし」


「でも、そんな」


ソラ君が口籠ると同時に、空から雨が降って来た。


小雨程度だったけれど、どんどん激しくなるのは目に見えていた。


「あゆ、俺、あゆの気持ちに応える前にこれだけはーー……」


ソラ君が何か言おうとして、その声は噛みなりで阻まれた。
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