世界で一番ソラに恋した。
「先輩先輩、今日泊まって行ってくださいよ。まじ雷ヤバいですから、なんなら今日、雷止まないですから」
「灰人、クールで偉そうなあんたのキャラが崩壊していってるよ」
でも、それははっきり言ってありがたい。
ソラ君を、今日はあの生徒会長がいる家へ帰らせたくなんてない。
「良いけど、親御さんに確認しなきゃだめよ?」
「親なら大丈夫ですが、その、俺、ちゃんと帰りますし、ご迷惑は」
「いや、うちの親、雷怖いから、父さんが居ない日は男手も居ないしで、居てくれた方が安全みたいですよ」
「勿論その通りよ。保護者の方に電話してらっしゃいね。灰人の部屋にお客様布団持っていくわね」
こんな時だけ二人は息がぴったりなんだから。
リビングで、アマの音が全然止まない中、弟とソラ君はサッカーの雑誌を取り出して、熱く語っている。
私はテレビを見ながら、一人課題をして――って。
「何で灰人ばっかソラ君を独り占めするのよ!」