世界で一番ソラに恋した。


「自分で言っておいて、何を照れてるんだよ。ほら、ソラ先輩呆れてるぞ」


「なっ うるさい! 私はあんたみたいに経験豊富じゃないの!」

ちらっとソラ君を見ると、確かに呆然としている。

うわあ。一人で恥ずかしくて暴れて、一人でから回って恥ずかしい。


「ご、ごめん、ソラ君私、あの」

「超可愛い。表情がころころ変わって可愛いなって思ってたけど、――俺の為に表情が変わってくれるなんてすっげ、嬉しい」

「~~!!」

ソラ君のその発言に、私は再び顔を真っ赤にしてしまう。


「母さーーん。飯、まだ? ここ、熱いよーー」



若干、呆れ気味なのは灰人の方だった。

居心地が悪そうにしているので、ソラ君が申し訳なさそうに笑った。

でも、――大好き。



机の下で伸ばされた手が、指を絡めてくれて。

それだけでも胸が苦しくて、破裂してしまいそうだ。
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