世界で一番ソラに恋した。


「絶対にうちの高校来ないでよ。あんたならもうちょっと良い高校いきなさい。ムカつくから駅の近くにある私立の高校行きなさいよ。全寮制の」
「嫌だよ。寮とかまじキツイ。ないわ」

「でも、その私立もサッカー強いのよね。ソラ君も知ってるわよね」

母の問いに、いつの間にかもうカレーを半分平らげたソラ君が、言いにくそうに頷く。



「共同浴場に、部屋は狭くて荷物も置く場所少ないし、あんま居心地は良くないみたいです」

「ほーーらーー。嫌だよ、俺。俺みたいな頭の良い奴は何処でも変わんないって」

「調子に乗るのはやめなさい」


ぺしゃりとお母さんに言いくるめられて、灰人が拗ねる。

それも、楽しそうにソラ君は眺めていた。

ああああ。家族まで私みたいに馬鹿って思われたかも。

馬鹿だけど。
< 127 / 190 >

この作品をシェア

pagetop