世界で一番ソラに恋した。
「絶対にうちの高校来ないでよ。あんたならもうちょっと良い高校いきなさい。ムカつくから駅の近くにある私立の高校行きなさいよ。全寮制の」
「嫌だよ。寮とかまじキツイ。ないわ」
「でも、その私立もサッカー強いのよね。ソラ君も知ってるわよね」
母の問いに、いつの間にかもうカレーを半分平らげたソラ君が、言いにくそうに頷く。
「共同浴場に、部屋は狭くて荷物も置く場所少ないし、あんま居心地は良くないみたいです」
「ほーーらーー。嫌だよ、俺。俺みたいな頭の良い奴は何処でも変わんないって」
「調子に乗るのはやめなさい」
ぺしゃりとお母さんに言いくるめられて、灰人が拗ねる。
それも、楽しそうにソラ君は眺めていた。
ああああ。家族まで私みたいに馬鹿って思われたかも。
馬鹿だけど。