世界で一番ソラに恋した。
「うん。うん。そうだよ。だから」
「俺の家も、一年前はそうだったんだけどなー。あゆを連れて皆で食事しても、きっと楽しかったんだろうなって」
「……」
今日の浮かれた弟や母の姿は、ソラ君には少し辛かったかもしれない。
私は、自分の事ばかりでソラ君の本当の気持ちにはまだ全然届いていなかったんだね。
私は恐る恐るソラ君の頭を撫でると、ソラ君も泣きそうな顔で笑った。
「明日は、ぶらぶらしたのちに先輩かサッカー部の誰かに泊めてもらうよ」
そんな事しなくても、うちなら構わないのに。
今のソラ君には、うちの呑気な家族は酷すぎるんだ。
「俺、彼氏?」
思い出したようにソラ君は笑う。
「彼氏だよ」
「あゆは?」
「……ちびだけど、彼女だよ」