世界で一番ソラに恋した。
「ふざけるなよ」
「先に挑発したのはそっちだろ」
愛音たちも登校してきて、騒ぎにまた顔を青ざめていた。
そして生徒会長の頬は腫れ上がり、手で頬を押さえている。
わざと隠さずに見せつけているようで不快だ。
「久保、殴ったのは本当か?」
体育の先生が腕を組みながら、無表情で尋ねた。
「本当です。生徒会長様が許せない発言をしたから」
「先生、私も聞きました。私でも殴っていたと思います」
菜奈がすかさず、久保先輩を庇うと、生徒会長は眉を下げて傷ついた顔をした。
「せ、先生、私も聞きました」
私も足がガクガク震えたけれど、挙手してアピールした。
「許せない発言?」
「せ、先生、その言葉はその場所を変えて話して下さい!」
私が咄嗟に庇おうとした時だった。
砂を蹴る音が響いて、それがソラ君の足音だと気づくのに数秒かかった。