世界で一番ソラに恋した。


現れたのは、ラグビー部とテニス部、野球部の元キャプテンたちだった。


靴箱の方からはバスケ部と卓球部の元キャプテンも立ち憚っている。



「久保は理由もなく人を殴らない」

「それよりも蒼空を馬鹿にしている生徒会長の言葉なら聞いた奴等もいっぱいいるぞ」

「良い人ぶった面と馬鹿だが良い奴ぐらい判別しろや」

「久保を咎めるのは許さんぞ」


次々に久保先輩を庇う先輩たちの声に、サッカー部から拍手が起こった。


「うっせーな。別に殴ったのは本当だって言ってるのにお前らは」


鼻を指でポリポリ掻きながら、久保先輩は照れているのが分かる。


「……人望ないな、生徒会長」

誰かが呟いた言葉に、拍手が鳴り止んだ。


生徒会の誰一人、同じクラスの誰一人、助けに来る人はいなかった。
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