世界で一番ソラに恋した。
その日はお天気なのに雨が降った。
狐の嫁入りだったかな?
そう呼ばれるんだっけ。
でもなんだかソラ君の気持ちが反映されているみたいで晴れ渡った空が泣いていた。
ただテストが帰ってくるだけの午前中の授業。
ホームルームで成績表を入れた封筒に自分の住所を書く作業は苦痛だった。
「菜奈?。私、数学がね、一つ追試だ……」
「それ、クラスの半分は追試だから安心しな」
と言いつつ菜奈は追試なんて関係なさそうな涼しい顔だった。
「ソラ、お前すげーじゃん」
「追試とか無関係じゃん。いいなー」
「ぐ。ソラ君も涼しい顔しやがって」
ぐぬぬと成績表を引き裂きたくなった。
「一緒に勉強してたのにこの差かぁ……」