世界で一番ソラに恋した。
「ソラ君のばかやろーーーーー!!!」
給水タンクの上から、大声で、グランド中に響く様に叫ぶ。
「あのさ、雨で滑るからそう身を乗り出さない方がいいよ」
「伸びろーーーーー。身長、伸びろ――ー」
「ぷっ」
今朝の事があったからか、クラスもテストの結果が悪かったのか、少しだけ沈んだ空気だったけれど、サッカー部の皆や奈菜たちが盛り上げてくれたから少しずつ、雰囲気は戻って行ったけれど。
でも、ソラ君だけは無理して笑ってるのが分かったから、胸が痛かった。
「クラスの五位、ソラ君だって聞いたよ」
「奈菜には負けたよ。あいつ、授業中寝てるくせに」
「ソラ君も寝てる」
「あゆは、眠たくてこくりこくりしてる時がたまにあったよな」
……見られてたんだ。
「危ないから、早く降りて来いって」