世界で一番ソラに恋した。


行かないで。

負けないで。

傍に居て。


いっぱい好きって言いたいから、

いっぱい好きって言って欲しい。


なのに、空君は手放してはいけないような大切なものからも逃げていく。



「何処に居ても、ソラ君はソラ君だし、好きでいる自信はあるけど、でも、でも――ソラ君を一人にしたくない。


こんなのいやだよぅ……」



夏休みを控えた。一学期最終日なのに。

晴れ渡る空からは雨が降り、私の心を簡単にどしゃぶりにしてしまった。


「毎日、メールするし電話もするし部活が無い日はデートしよう?」


私を抱きしめながら、ソラ君はまだそんな血迷った事を言ってるので、とうとう手をうんと伸ばして頬を引っ張ってやった。

「ばか!」
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