世界で一番ソラに恋した。
4時に奈菜と久保先輩とソラくんがウチに来た。
ウチの親と灰人が、久保先輩を知っているらしくて大興奮。
久保先輩は茶色の甚平で、ソラ君は深い色の浴衣を着た。
うちの親が嬉しそうに着せていて恥ずかしかったけれど、ソラ君は始終嬉しそうだったから我慢したけど。
「あっれ。上手くお団子できないなー」
「奈菜、私がするよー」
二人が終わるまで私たちは隣の部屋で、メイクをしていたけれど、
1年前お揃いでしたお団子が、奈菜が髪が伸びたために苦戦していた。
「最初の頃、身長コンプレックスだった私に奈菜がお団子してくれたのにな」
「本当だね、でも1年も結んでいたら上手くなるんだよ」
1年も。
「……ソラ君は私が毎日お団子を練習して苦戦している間も、苦しんでいたんだよね」
自分の髪を見ながら――ちょっとだけ苦しくなった。
「……じゃ逆に、今日はお団子やめてみよっか」