世界で一番ソラに恋した。
「奈菜?」
「ちょっと座ってね」
私の髪を解くと、左右で編み込んで後ろで縛ると水色のお花を飾った。
「可愛いでしょ?」
「うん。可愛い!」
奈菜は満足そうに頷いた後、私を見て笑う。
「もうお団子だけじゃなくて可愛い髪形にも挑戦してもいいんじゃない? 最近あんたたくましいし、コンプレックスなんて悩むこともないような素敵なダーリンもできたことだし」
「ダーリンって……」
ソラ君には似合わなすぎて思わず赤面してしまった。
奈菜は器用に自分の髪も編み込んで結ぶと同じように黄色い花をつけた。
「違うくないでしょ?」
「奈菜は?」
「……大学合格するまで、保留!」
悔しそうにそう言うと、拳をつくって鏡にぶつけるすれすれまでふりかざした。