世界で一番ソラに恋した。
「正義感が強い大和先輩らしいわ。終業式の時、先輩を庇う人しかいなくてさ、やっぱ人って見た目じゃないわよ。先輩はちょっと見た目チャラいけど、話すとまっすぐで嘘がないもの」
ふふんと得意げに笑う。
「奈菜は、先輩の何処を好きになったの?」
というか、接点も分からないしいつから?
奈菜に振られたって噂はよく聞いて来たけど、バスケ部のけっこうなイケメンだったり、年下のモデルやってる男の子だったり、久保先輩をずっと思っていたなんて信じられなかった。
「私がバイトしてるって疑われた時に、毎日職員室で呼び出されて尋問されてたら、先生相手に助けてくれたのが先輩」
磨かれて、浴衣とお揃いのピンクの爪を弄りながら奈菜は頬を染めた。
「その時はまだ、先輩ってば茶髪だしピアス開けてたしもっとチャラかったけど、先生を丸めこんじゃって格好良かった。追いかけて御礼言って、でも本当はバイトしてるって言ったら怒られたの。それっきり連絡する手段もなかったし、――私嫌われたと思ってたからさ」