世界で一番ソラに恋した。

ええええ。

屋台に着いてそうそうに二人で回るの!?
私、四人で回るって思って、それならまだ緊張も少し収まるかなって思ってたのに、それなのに、


「な、奈菜……。一緒に金魚掬いとゴムボール掬いと、それと、チョコバナナと綿菓子と」

「多すぎだから!」


ぶはっと久保先輩に笑われてしまったけれど、青ざめた私は真面目だ。

「私とは来年も出来るけど、ソラとはきっと今日しかできないよ」

(えっ……)

「頑張りな」


奈菜に背中を押されて思わず我に帰る。


ソラ君とは今しかできないってどういう意味だろう?

転校の事はしらないはずだよね?


「ごめん、俺と二人じゃ嫌?」

ソラ君が心配した顔で見てくるので、慌ててブンブンと首を振った。

「うううん。は、恥ずかしかっただけ」

「あは。じゃあ、いっか。行こう?」

そう言われたら嫌とは言えなかった。
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