世界で一番ソラに恋した。
子供会のお手伝いをしているなら、もしかしたら本当に生徒会長は良い人なのかもしれないけど、
でも、助けて貰えないぐらい、不器用な人なのかもしれない。
「あゆ?」
「は!?」
「ぼーっとしてたけど、次、俺焼きそばとお好み焼き食べたい」
「わ、美味しそう。いいね。食べよう! 私はタコ焼き」
変にドキドキしながら、どのタイミングで抜けようか考える。
うー。やっぱ四人で回った方が良かったかな?
海沿いに面した露店の数々に、全て制覇したい欲望にも駆られているし。
奈菜にだけでも、ちゃんと計画を伝えていれば良かったな。
「あ」
ソラ君がいきなり立ち止まって下を見て固まった。
「どうしたの?」
「うわ、下駄の鼻緒が切れたくさい」
「……」
母の勘は鋭いってことか。
「ソラ君、そっちの隅の方に座ろう」