世界で一番ソラに恋した。
「ソラ君、私ちょっとトイレ行って来てもいい?」
上手に笑って――私は初めてソラ君に嘘をついた。
その嘘は、後ろめたさしかないけれど、上手に笑えたかな?
「うん。いいよ」
「あのね、毎年すごく混むから、もしかしたら遅くなるかもしれない。先に何か買って食べててね」
「分かった」
心配し過ぎと、ソラ君が笑うので私も苦笑して誤魔化した。
トイレは確かに公園にあるもん。
うっかり、――ほんとうにうっかり会ってしまうかもしれない。
だから、嘘じゃないよ。
嘘では――。