世界で一番ソラに恋した。


「家の事情を、私みたいな小娘がやかましく言いたくありません。でも、ソラ君が今、貴方のせいで、貴方が作った原因で傷付いてるのに、缶ビールなんか持って、今、すっごいムッカーって思ってます。許せない気持ちの方が強いです。怒りで手が震えてます」


どうしよう。

冷静に話したかったのに手が、足が、声が震えてる。

この人には何か深い傷とかあるかもって思ったのに、なのに、ソラ君のことばかり考えてしまって、この人を『悪』だと決めつけてしまっている自分がいる。



「自分は、蒼空の方が岳に反発して家に帰らないと聞いていたが……」

「ソラ君に直接聞いたんですか?」

「……忙しくて家で最近顔を合わせていなかった」



その呆れた言い訳に思わず、涙が込み上げてくる。

「こんな場所で、他の子供のことは気にかけてるのに、自分の子は気にならないんですか!!」
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