世界で一番ソラに恋した。
「それとも……岳君だけが本当に貴方の子供だと、ソラ君を切り捨てるんですか」
寂しい。
痛い。
苦しい。
誰か、誰か、子供で何もできない私たちを助けて欲しい。
ソラ君を助けて欲しい。
「あゆ!」
騒ぎを遠巻きに見ている保護者の中を擦りぬけて、ソラ君が現れてしまった。
可愛いシュシュで応急処置された下駄を見たら少しだけ、――ほんの少しだけ、癒された。
「ソラ、君……」
「こんなところで何してるだよ。こんな奴ら――あゆが心を痛めて良い相手じゃないだろ」
「ううん。違う。私が許せなかっただけだから……ごめんね」
私が欲しいのは、このソラ君の父親の本音だけ。
もし本当にソラ君を切り捨てたならば――。