世界で一番ソラに恋した。
「初めて幼稚園で描いたお父さんの絵が、額縁に入れてまだ書斎に置かれている事や――、逆上がりや自転車の練習、ずっとずっとサッカーの応援をしてくれていたこととか、思い出の中は楽しいのに。今でも思い出すと――父さんのことが大好きなのに。
今はもう、見たくない。アンタがいる家になんてもう二度と帰りたくない」
ソラ君の頬を、一滴の涙が流れた。
小さく小さく溢れた涙の海は、後から後から広がって行く。
それすらも――澄んだ空の色をしている気がした。
ソラ君は、過去の中のお父さんに逃げて、今のお父さんを見たくなかったけれど、
私のせいで対面して感情をぶつけてしまった。
私のせいでーー。
「ソラ君、ごめん。ごめんね。話させてごめん。言いたくなかったのに、私のせいで」