世界で一番ソラに恋した。


「店長―! 甘口カレーと炭酸ジュース飲みたい」
「同じく、ラッシー下さい」


たった10Mを10分かけて歩いてようやくカレー屋さんの前に到着した。

カレー屋には、この人混みで熱気が凄い中、『激辛カレー大食い選手権』と書かれていて、案の定、閑古鳥が鳴いていた。

ここのベンチに座った私ソラ君は、道行く人に、大食い選手権の選手に間違われているかもしれない。

でも、それで構わない。

もう私も――周りの目を気にし過ぎるのは止めていたから。

携帯を見たら、奈菜たちは渋滞の人ごみに断念したらしい。
駅へすぐに走っていけるようなビルから見るとメールが来ていた。



「あゆ、ごめんな。今日の俺見て、幻滅しただろ」

突然、ソラ君がこの世の終わりのような低い声で呟いたのですぐさま顔を見上げた。





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