世界で一番ソラに恋した。


「溺愛って、そんな最後のPK戦でソラ君が点を入れるたびに私にⅤサインするからだもん」

「きゃー! 熱い熱い。大和先輩が居なくなったら、ソラの天下が始まるわね」

「もう奈菜!」


丁度、笛が鳴って、ソラ君が部員を集合させた。

私と奈菜はその隙に、テントに戻って紙コップを並べてヤカンのお茶を用意する。
皆が飲んだら、紙パックを捨ててヤカンを洗って終了。
マネージャーの仕事が終わると、私はソラ君を漸く独り占めできるから大慌てで支度をしなくちゃいけない。
いつも、部活の最後がバタバタ大慌てだけれど、仕方ない。





花火大会の三日後に、数学の追試があった時だった。


花火大会後もソラ君が学校の図書室で私に追試対策で勉強を教えてくれていた時だ。


ソラ君のお父さんとお母さんが揃って、校長先生、理事長先生に謝罪してきた。
ソラ君の転校の取り消しについての謝罪。
色々既にもう手続きは済んでいたのだから、本当に迷惑をかけてしまったのだろうし仕方ないけれど。

ソラ君のお父さんは、土下座までして何度も何度もお願いしていた。


勿論、向こうの私立の高校にも、だ。



ソラ君の転入手続きを白紙に戻すために。

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